石川 輪島 豪雨で氾濫の塚田川周辺 降雪前に復旧工事急ピッチ
ことし9月の豪雨で氾濫し4人が亡くなった、石川県輪島市の塚田川周辺では、応急の復旧工事が行われていて、今後雪が降ると工事が遅れることが予想されることから、現場では作業が急ピッチで進められています。 9月の豪雨災害では、輪島市久手川町の塚田川が氾濫し、住宅などが流されて4人が亡くなりました。 塚田川では、護岸の崩落や川底に土砂が堆積していることから、再び氾濫が起きないように、現在、応急の復旧工事が行われています。 川の周辺は被害の範囲が広く、高度な技術が求められるため、工事は県の代わりに国土交通省北陸地方整備局が担当していて、今後雪が本格的に降ると工事が難航して遅れることが予想されることから、現場では急ピッチで作業が進められています。 4日も時折雨が降る中、作業員が重機を使って、堆積した土砂を掘り返す作業や流木を取り除く作業を行っていました。 北陸地方整備局地域河川課の西出保課長は「雪が降ると除雪などが必要になるので、前倒しで工事を実施したい。住民の皆さんの安全安心の確保に努めていきたい」と話していました。 北陸地方整備局によりますと、現在は下流部から工事を進めていて、今後は上流部に流木をせき止める金属製のネットを取り付け、来年の出水期前の5月末までに応急の復旧工事を完了したいとしています。
“トランプ関税” 日本の自動車メーカーへの影響懸念
アメリカのトランプ次期大統領がメキシコやカナダからのすべての製品に25%の関税を課す意向を示したことで、両国をアメリカ市場向けの重要な生産拠点と位置づける日本の自動車メーカーへの影響が懸念されています。 このうち、カナダにはトヨタ自動車とホンダの工場があります。 JETRO=日本貿易振興機構によりますと、トヨタは現地で生産台数が最も多いメーカーで、去年は52万台余りを生産しています。 一方、現地での販売は22万台余りで、台数は公表していませんが、アメリカにも輸出しています。 また、ホンダは去年、2番目に多い37万台余りを生産していて、アメリカには77%にあたるおよそ29万台を輸出しています。 前のトランプ政権のもとで4年前に発効した「USMCA」=「アメリカ・メキシコ・カナダ協定」では、関税がゼロになる条件として、部品の域内調達の拡大や、時給が16ドル以上の工場で生産することが求められ、各社は対応を迫られました。 トランプ次期大統領が実際に関税を25%に引き上げた場合、各社の生産や販売の戦略に影響を与えそうです。 さらにバイデン政権が打ち出したEVなどの税制優遇措置、インフレ抑制法がトランプ政権のもとで継続されるかどうかも焦点です。 インフレ抑制法では北米で製造された電池用の部品を使って、最終的に北米で組み立てられたEVなどを対象に税制が優遇されます。 こうした中、ホンダはカナダにEVと電池の工場を新たに建設し、2028年に稼働する予定で、電池の部材についても旭化成などと合弁で現地に工場を建設して生産します。 旭化成の工藤幸四郎社長はことし4月の会見で、インフレ抑制法について「投資判断の後押しとなった」と述べていて、税制上の優遇がなくなれば、EVの販売戦略などに影響を与えそうです。 日系企業への影響は 外務省の去年10月時点の調査によると、カナダには、日系企業の支店や現地法人などの拠点が、982あります。 特に自動車メーカーの存在感が大きく、JETRO=日本貿易振興機構がまとめたレポートによると、カナダ国内に工場を構えている「トヨタ自動車」と「ホンダ」の2社の去年1年間の生産台数は、カナダ全体の生産台数の6割近くにあたります。 こうした日系企業はカナダ国内のほか、アメリカにも製品を輸出していて、JETROの去年の調査によると、製造業では、アメリカ向けの販売比率が3割を超えています。 日系企業がアメリカ向けの製品の生産拠点をカナダに置く背景には、アメリカへ輸出する際、一定の条件を満たせばこれまでは関税がかからなかったほか、EVのバッテリーに使われるリチウムや黒鉛といった鉱物資源が豊富なことなどがあるとみられています。 日系企業の進出の動きを日本・カナダ両国の政府も後押ししていて、去年9月には、日本企業がカナダにバッテリーの生産工場を建設する際に支援することなどを盛り込んだ覚書を両国政府の間で結んでいます。 アメリカのトランプ次期大統領がカナダに25%の関税を課す考えを示す中、日系企業のカナダへの進出にどのような影響が出るか、注目されます。
京阪電鉄 30年ぶりに値上げ 車両更新や待遇改善のため
京阪電鉄は、車両の更新や社員の待遇改善のため、来年(2025年)10月から運賃を平均で12%余り、値上げすることを決めました。 30年ぶりの値上げとなります。 京阪電鉄は、来年10月からケーブルカーを除く、全線で運賃の値上げをすることを決め、国土交通省に申請しました。 それによりますと平均の値上げ幅は12.4%で、初乗り運賃については、▼京阪線は現在の170円から180円に、▼大津線は170円から200円にそれぞれ引き上げます。 消費税率の引き上げによるものを除いた運賃の値上げは、30年ぶりとなります。 値上げの理由について会社では、▼人口減少やリモートワークの普及で旅客収入が減少する一方、▼車両の更新や社員の待遇改善などに必要な費用の増加が見込まれるためとしています。 今回の値上げによって、年間でおよそ45億円の増収が見込まれるということです。 京阪電鉄の山口淳 経営企画部長は、「鉄道事業への投資をこれまで抑制していたが、計画的に行う必要がある。安全で安心な旅客輸送サービスの提供を行うため、不足する費用の一部のご負担をお願いしたい」と話していました。 関西の私鉄では、去年(2023年)、近鉄や南海電鉄でも運賃を値上げしています。