カメラが捉えたのは、逮捕前の男らの姿。飲食店の前に立つ頭に黒いタオルを巻いた男は、周りを見渡しながら、服についたホコリを払うようなしぐさをしています。
そしてもう一人。その数分後に現れたグレーの服を着た男は、雨をよけるように小走りで白い車に乗り込むと、大きな水しぶきを上げながら、ハンドルを左に切り、細い道を通って走り去りました。
今年3月に撮影された映像に映る2人の男。4日、傷害致死の疑いで逮捕された、三重県四日市市の飲食店経営、今村健一郎容疑者(43)と従業員の丹羽正和容疑者(42)です。
警察によると、2人は今年2月、元従業員の尾谷純一さん(当時53)に全身を殴るなどの暴行を加え、死亡させた疑いがもたれています。事件が発覚したのは、丹羽容疑者からの「一緒に働いていた人が亡くなっていた。顔にあざがある」という通報でした。
現場は、尾谷さんが勤務していた飲食店の2階にある一室。その部屋は、住み込みで働いていたという尾谷さんの自宅で、マットレスの上で横たわった状態で発見されました。全身にあざがあり、その場で死亡が確認されたということです。
暴行の痕はほかにも。尾谷さんの身体には、古い傷痕も残っていて、普段から暴行を受けていた可能性があるといいます。
尾谷さんは、去年12月までは店で働いていたとみられていますが、尾谷さんを知る人によると、必要以上に働かされていた印象で、給料もかなり安かったということです。
事件の翌月に撮影された、今村容疑者と丹羽容疑者。事件後も2人が働く飲食店で仕事をしていました。2人を知る人は…
容疑者2人を知る人
「(今村容疑者は)温厚でフランクで優しい、楽しい方という印象」
事件発覚の翌日にも2人と話をしたといいます。
容疑者2人を知る人
「『何があったんですか?』と聞いたら、青ざめた顔して『すいません、すいません、純ちゃん(尾谷さん)が亡くなりました』と。話できない状態だった」