カザフスタンで旅客機が墜落し、38人が死亡した事故で、ロシアによる防空ミサイル攻撃の可能性も指摘されています。
■乗客乗員67人のうち38人死亡
クリスマスを襲った痛ましい事故。現地メディアによると、乗客乗員67人のうち、これまでに38人が死亡。29人の生存が確認されていますが、11人が集中治療室で手当てを受けています。
旅客機はアゼルバイジャン・バクーからロシア南部のチェチェン共和国・グロズヌイに向かっていましたが、予定の飛行ルートを大きく外れ、カザフスタン西部空港近くで着陸に失敗しました。
生存者
「飛行機が墜落した時、妻は隣に座っていました。それから妻の姿が見えません。どこにいるのか分かりません」
墜落の原因についての第一報は、ロシア当局からでした。
ロシア航空当局は「鳥と衝突したようだ」と、バードストライクを指摘していました。
一方、アメリカメディアは機体に開いた無数の穴について、ロシア軍のミサイル攻撃の可能性を指摘しています。
ウォール・ストリート・ジャーナル(25日)
「ミサイル攻撃か防空システムの痕跡の可能性がある」
アゼルバイジャンのメディアは具体的な情報を挙げ、旅客機が撃ち落されたとしています。
アゼルバイジャン政府関係者(アゼルバイジャンメディア「ガリバー」から)
「ロシアの防空システム『パーンツィリS1』の攻撃を受け墜落した」
■ロシアの地対空ミサイルによる攻撃か
旅客機の目的地だったロシア・チェチェン共和国では当時、敵対するウクライナ軍がドローン攻撃を行っていました。
銃声が響き渡るチェチェン・グロズヌイでは、建物にウクライナ軍の無人機が突っ込み、爆発しました。
カディロフ チェチェン共和国首長(ロイター通信から)
「防空網で2機を撃墜したが、1機は特殊部隊の建物に突入した」
現時点で真相は分かりませんが、今回の旅客機もロシアの地対空ミサイルによって撃ち落とされた可能性もあります。
生存者(ロシア・トゥデイ 25日から)
「グロズヌイに着陸を試みた際に爆発が起こり、1時間飛行したのちに墜落した」
旅客機は損傷後、近隣のロシアのすべての空港から緊急着陸を拒否されたため、カスピ海を越えてカザフスタンを目指したということです。
アゼルバイジャンのメディアは「誤射の証拠を隠滅するため、海に墜落させようとした」と報じています。
アゼルバイジャン政府は、プーチン政権に対して責任者の処罰を求めています。
(「グッド!モーニング」2024年12月27日放送分より)