中山美穂離婚成立、長男親権は辻へ…パリと日本、最後まですれ違い

離婚協議中だった女優中山美穂(44)と、芥川賞作家で歌手の辻仁成(54)夫妻が8日、離婚した。辻がブログで同日に離婚届を提出したことを発表。「今後は息子とふたりで生きていく」とつづっており、争点だった長男(10)の親権は辻が持つとみられる。 2人が離婚協議中であることがスポニチ本紙の報道で明らかになってから約3カ月半。辻は8日午後11時にブログを更新し、「本日、離婚届けにサインをし、提出いたしました」と報告した。 関係者によると、4月に中山が主演ドラマの収録のため自宅があるパリから帰国した直後、辻と話し合いの場を持ち、双方が離婚に合意。中山が収録を終えてパリに戻る前に、判を押した離婚届を辻に渡していた。 ブログには「ぼくと生きたいと望んでくれた息子の気持ちにこたえられるよう、父親としても頑張りたいと思います」と記した。辻は2000年に前妻南果歩(50)と離婚した際、南との間にもうけた長男の親権を渡したことを後悔していた。そのため、中山に対し、親権を持つことを主張したとみられる。 2人は01年10月頃に雑誌の対談で意気投合。8カ月の交際をへて、02年6月に電撃結婚した。その後にパリに移住し、04年に長男が誕生。だが、互いに仕事で日本とパリを行き来する生活を続けるうちにすれ違いが生じた。辻が09年頃から「中性的なおじいさんを目指す」と言って、女性的に変化していったことも離婚の原因の一つだ。 現在、中山はパリ、辻は日本にいる。すれ違う生活のまま、2人は離婚を迎えた。 ◇辻 仁成(つじ・ひとなり、歌手時は「じんせい」)1959年(昭34)10月4日、東京都生まれ。85年、バンド「ECHOES」でデビュー。ヒット曲に「ZOO」など。作家としては芥川賞受賞作「海峡の光」、「サヨナライツカ」など。 ◇中山 美穂(なかやま・みほ)1970年(昭45)3月1日、東京都生まれ。85年1月にドラマデビューし、ミポリンの愛称でブレーク。95年に映画「Love Letter」が大ヒット。歌手の代表作は「世界中の誰よりきっと」など。

中山美穂さんと交際していた音楽家がXで追悼投稿「『最近どうよ』とか話せたらと思っていた」

音楽家の渋谷慶一郎氏が9日までにX(旧ツイッター)を更新。6日に54歳で急死した歌手で女優の中山美穂さんに向けたとみられる追悼コメントを投稿した。 過去に中山さんと交際していた渋谷氏は「いつか日本で飲んでるときにばったり会って『最近どうよ』とか話せたらと思っていた」と書き出し、「それが叶わなくなったのは寂しいけど、死はいつも待ってくれない。色々ありがとう。勉強になったし短い間だったけど、すごく楽しかった」と感謝。 「3人分くらい生きたと思うから向こうではゆっくり休んで」と悼んだ。 中山さんは6日、東京都内の自宅で亡くなっていたところを発見された。54歳だった。死因については公式サイトで8日、「検死の結果、事件性はないことが確認されました。また、死因は入浴中に起きた不慮の事故によるものと判明いたしました」と報告された。

【追悼・中山美穂さん】アイドル+俳優の「二刀流」を証明した稀有な才能、俳優の魅力が増した作品を振り返る

「2人の芸人さんに演技のアドバイスを受けていた彼女の姿が忘れられません」──。12月6日、渋谷区の自宅浴室で急逝した歌手で女優の中山美穂さん(享年54)。検死の結果、所属事務所は死因について「事件性はなく入浴中の不慮の事故」と公表した。 NEWSポストセブンの取材に中山さんとの思い出を打ち明けたのは、1994年1月のドラマ『もしも願いが叶うなら』(TBS系)のプロデューサーを務めた横井直行氏だった。 同ドラマは、当時23歳の中山さんが天涯孤独のヒロイン・未来役を演じた。そんな彼女の前に突然、幼い頃に生き別れたという兄3人が出現。お調子者の長男役はダウンタウンの浜田雅功(当時30)だった。トレンディードラマへの出演が続いていた彼女にとって、久しぶりのコメディードラマだった。中山さんと浜田の息の合った掛け合いが話題となり、ドラマの平均視聴率は17.8%を記録。中山さんが歌った主題歌『ただ泣きたくなるの』は、ミリオンヒットとなった。 横井氏が中山さんを初めて見た当時を振り返る。 「私は『もしも願いが叶うなら』の4話分をプロデューサーとして担当しました。実は、同ドラマを担当する前には『ザ・ベストテン』という歌番組のスタッフをしていて、その時にデビュー曲の『C』をリハーサルで歌っていた彼女を見たのが初めてでした。彼女は1985年デビュー組なんですが、少し前の1982年デビュー組のキョンキョン(小泉今日子)や中森明菜らに劣らず、圧倒的に綺麗でした。当時ADだった私はスタジオで慌ただしく動き回っていたのですが、可愛い子が出てきたなぁというのは今でも鮮明に覚えています」 女優として多くの作品で主演を担ってきた中山さんだったが、横井氏は『もしも願いが叶うなら』の撮影現場で彼女の意外な一面を目撃していた。 「コメディードラマでしたので、彼女には転ぶコミカルな芝居を演出したんです。そしたら、それをもっと面白い動きにしたかったようで、浜ちゃんに『どうやってやればいいですか?』と演技のアドバイスを求めたんです。 二人で転ぶシーンを試行錯誤しながら、何度も練習していたのが印象深いですね。ドラマには芸人の久本雅美さんも出演していましたので、他にもコミカルなシーンの時には、彼女にも相談していましたし、お笑い芸人が二人もいたので、彼女にとっては心強い現場だったと思います」 慣れないコミカルな芝居も妥協せずに向き合った中山さん。横井氏は、今も忘れられない印象深いシーンがあるという。 「台本3ページにわたる、彼女だけの長いセリフのシーンがあったんです。兄役の浜ちゃんへの秘めた想いを打ち明けるとても大事な場面でした。でも彼女が話しかける相手は役者ではなく猫なんですよ。だから、もし猫が途中で動いたり鳴いてしまうとせっかくの長ゼリフがまたやり直しですから、絶対に一発で決めたかったんです。 私の方が本番前からピリピリしていたのを思い出します。でもやっぱり、動物ですからね、案の定セリフの途中で猫が何度も動いちゃったんですよ」 中山さんに「申し訳ない」と感じた横井氏が恐る恐る彼女のほうを見た時だった。 「ケロッとしているんです。猫が原因で長いシーンを撮り直しになったので、当時の彼女のキャリアなら、イラッとした感情が顔に出たりしてもおかしくありません。 彼女はまったく気にしない感じで、その姿に現場スタッフ全員が救われました。一回休憩を挟んで、今度は一発OKでした。あの時ほど、プレッシャーにかられた瞬間はないかもしれないですね。本当に惜しい人を亡くしました」 中山さんは同作品について、周囲に次のように語っていた。 「中山さんは『コメディーは、シリアスなドラマよりも共演者とのコミュニケーションを深めて呼吸を合わせることが大切』と話していて、浜田さんに対しても『本読みの段階で、自然と浜田さんの中に入っていくことができた。本当のお兄ちゃんのような感じだった』と、敢えて進んで積極的にコミュニケーションを取っていたことを明かしていました。主演としての責任感が強かったのかもしれません」(ドラマ関係者) “もしも願いが叶うなら”、もっと「女優・中山美穂」の芝居を見ていたかった。